安岡園江さん
ジュエリーデザイナー ランニング歴:9年
Home town /仙台
Hobby /美味しいものを食べる・美味しいワインを飲むこと
Favorite running spot /東京タワー周辺
Running frequency /週5~6日
−走り始めたきっかけは?
旦那さんに勧められたんです。
きっかけはホノルルマラソンだったのですが、元々夫婦でハワイが大好きで、年間に3、4回くらいはホノルルに行っていたんですよ。
ある時旦那さんが「せっかくホノルルに行くんだから、ホノルルマラソンに出てみたい」と言い出したんです。
旦那さんは元々太っていてダイエットをしたのですが、ダイエット後にランニングも始めたんですよね。
私は初めそんな彼の”応援”としてHISのマラソンツアーに参加し、ハワイについて行きました。
ホノルルマラソン参加を通じて旦那さんにはどんどんお友達が増え、すごく楽しそうでしたが、自分が走るなんてその時は全く考えていませんでした。私には関係ない世界だなと思っていたんです。
じゃあなぜ私が走り始めたか、というと・・・
翌年のホノルルマラソンエントリー時に「応援だけなら今年はハワイまでついてこなくて良いよ」「ホノルルマラソンは、全部歩いたって制限時間がないんだから、一緒に行こうよ」と旦那さんに誘われ・・・それで私もエントリーしたのがきっかけなんです。笑
−関係ない世界のはずだったのに!笑
その2,3年前からヨガをやり始めていたので運動自体をゼロからスタートするわけではなかったのですが、ランニングに関しては中学高校の体育の授業以外走ったことなんてなかったんですよ。
夏にエントリーして、ホノルルマラソン本番の12月に向けて練習を始めたのですが、すぐに膝が痛くなりました。
コーチには「フルマラソンの前に、20kmぐらいは1回走ってみてください」と言われていたのですが、無理でしたね。笑
事前に1度だけ15km走ったのと、10kmを3回、3〜5kmを1km8分くらいのスピードでゆっくり走ったり・・・それがやっとって感じでした。
−ご主人と一緒に練習してたんですか?
それはあまりなかったですね。
出張も多かったので、ほとんどなかったかな?
ホノルルマラソン本番の時には「一緒に走ろうか?」と言ってくれたのですが、それは私は嫌で。
せっかく出るんだし、力を借りずに最後まで自分一人でやり遂げてみたかったんですよね。
−レースはどうでしたか?
レース序盤は無理なく歩きなさいよって言われていて、スタートしてから少しの間はゆっくりと写真をとったりしながら楽しんでいたんだけど、
15kmから先は未知の世界。下半身が痛くなり始めて、20kmすぎのハーフの距離の時には足が全然動かなくて・・
泣きたくなったっていうか、本当に泣いてました。笑
それからずーっと下向いて泣いてて。それでもマラソンツアーのスタッフさんたちの「頑張れ頑張れ!」っていう応援になんとか応えて、ちゃんとゴールもしたんです。5時間50分。
−おおっ、6時間切ったんですね。
辛かったし、その時はランニングウォッチの使い方も知らなくてペースも全くわからず走っていたんだけど、走ってる途中で6時間の※1ペーサーの人が見えてきて。
「この人より1歩でも先にゴールすれば、6時間が切れるんだ!」ってわかったらなんだか脚の痛みがちょっとなくなった感じもして。笑
そこから、一生懸命走って走って、ゴールしましたね。
ゴールした直後は辛くて「もう2度と走りたくない!!」なんて思ったんだけど、その日の夜にマラソンの打ち上げに行くじゃないですか、そしたらそれがなんか楽しくって。
飲みながら、みんなでその日の思い出を話したり、「◯km地点にこんな人いたよね〜」とか、「あそこ苦しかったけど、なんとか頑張れたよね!」とか共通の話題で一緒に盛り上がったり。
そういう話をしいてるうちに、体はすごく痛いんだけど、苦しかったことは少しずつ忘れられた感じがちょっとだけしたんですよね。
そうしてホノルルマラソンが終わり、ハワイから日本に帰って来たときには”ランニング、続けるかどうしようかなぁ”ってことを思ったりもしたんですが、1年後のホノルルマラソンに向けて、またちょっと走ってみようかなってやっぱり思ったんですよね。
※1・・・ペーサー/マラソンレース中、目標完走タイムごとに目安となるペースで走り、公式にランナーを引っ張る人。
背中に目標タイムが書かれた旗を背負っていたり、目印に風船をつけていたりします。
−おおー。じゃあ、初フルマラソンではちょっとだけ、 ”楽しい” っていう気持ちの方が優ったんですね?
うん、そう・・・・・半分ね。笑
−若干か。笑
うん、若干だね。笑
まだそのときは、走ることが好きか?って聞かれたらやっぱりそれよりも苦しい、辛いなーって気持ちだったので・・
まぁでももし今聞かれても・・今でも決して「走る事が好き!」ってすぐには言えない・・かもしれないんだけどね。

place:Buvette
練習は苦しいけれど・・・仲間がいるから頑張れる
−なるほど。「走る」っていう行為だけに絞るとやっぱり辛さが。
そう、やっぱり練習は苦しいですね。いつかはフルマラソンで※2サブ4をやりたいなって思ってるんですが、ただただ楽しい※3LSDばっかりしてても速くならないので、※4インターバル練とか、低酸素練とかやってるとやっぱり苦しいのは苦しいですよね。
今は、練習として週に5〜6回走っているんです。ジムでトレーニングをして、その後低酸素ルームでのランニングを30分。それがセットで週に2回と、
通っているジムのランニングクラブでの練習会が2回。他に、自分だけで好きに走ったりを1、2回。
月間だと、150km〜200kmくらい走っています。
ただ、そういう苦しいことをしてでも、大会に出たりとか、仲間で応援しあったりすると楽しくて、それがまた活力になって今も続けて頑張れてるのかな。
※2・・・サブ4/フルマラソンで4時間以内でゴールすること
※3・・・LSD(Long Slow Distance)/ゆっくりとしたペースで長い距離を走ること。有酸素運動の効果が高まり、心肺機能の向上が期待できる。
※4・・・インターバル走/速くダッシュで走ることを繰り返す練習法。ダッシュの合間にはゆっくりと走る小休憩を挟み、緩急をつけるのがポイント
−例えばですが、ファンランみたいなやり方をしたら、ランニングの苦しい部分はだいぶ減る気もしますが、そういう形ではなく、日々練習しているのはなぜですか?
サブ4って言葉があるじゃないですか。マラソンを始めてみて、やっぱりこれを一回はやってみたいなっていう気持ちがあるから・・・だからかなぁ〜。
一回、一回だけでいいんだけど、やりたいの。笑
−サブ4への気持ちが大きいんですね!
そうですね、サブ4したい!
初フルマラソン以降、少しづつ記録は更新したんですが、4時間53分の記録を出してから、4時間30分を切るまでに3年かかったんです。全然ダメで・・当時はすごい苦しかったんですよ。
ただ、それまでってレースはずっとホノルル一本だったんですね。年に1回のホノルルマラソンで記録を更新しようとしていて。
でもホノルルって暑いし、走ってたら脚が攣っちゃったりしてて・・そんな私を見た周りの人達に、走りやすい日本国内の冬の大会を勧められて、それで熊本マラソンに出たんですよ。
そこで4時間41分を出して、その次に4時間31分になり、その次も熊本で4時間22分・・・と少しずつ記録が出せるようになっていったんです。
フルマラソン4時間31分の記録を出した後、グーンと更新して次の記録が4時間22分になっちゃったから、どうせならもうちょっと上にいきたい!と欲が出てきました。笑
今の※5PBは4:17:03。毎回刻むように本当にちょっとずつの更新ではあるんだけど笑、もう少し、もう少しサブ4に近づいてみたいな、っていうのがあって日々練習してますね。
−向上心と、努力を続けるパワーがすごい!元々「私には関係ない世界」なんて言ってた頃が嘘みたいですね!笑
でもこれだけやっても、なっかなか速くならないの〜!もう〜!笑
※5・・・PB/パーソナルベスト。自己最高記録のこと。

楽しいの源、パイナップル
−ところで、そのウエアや帽子のパイナップルについて教えてもらえますか?
私が作った、パイナップルズっていうランニングクラブのパインちゃんです。
私の3回目のホノルルマラソン参加の時に、毎回あるホノルルで一番苦しいところ(ハイウェイ)で、何か楽しみを持って42キロを走ることができないかなって思ったんです。
そんな風に色々考えていた時に、たまたま私の友達が宝塚歌劇団の役者で、その友人の舞台を観に行ったんですが、新入生がやるラインダンスがあって、頭の上にパイナップルを乗せてラインダンスをしてたんです。
その光景にピン!ときて、「ダイヤモンドヘッドの前でこれやりたい!」ってすぐに思ったんです。
その後仕事で沖縄に出張に行った時にこの顔がとっても可愛いパインちゃんを見つけて、それですぐ仲間に「このパイナップルを頭の上に乗せて走りたいんだけど」って伝えたんですけど、初めは「勘弁してくれ」と言われました。笑
それでももう私の頭の中ではイメージが出来上がってたから、「絶対にみんなでやろう!絶対楽しいはずだから!」って言って、それで最初旦那さんや同級生とか5人だけでやったんです。
実際にやってみたらみんなも楽しかったみたいで、いま現在も続いてるんです。
−みんなのパインちゃんの帽子は手作りなんですか?
はい。HISツアーのランニングキャップに、パインのぬいぐるみを糸で縫い付けてるんですよ。しっかりつけさえすればストレスがないんです。
最初は頭が重く感じたんだけど、それからは中身の綿を全部抜いて、エアパッキンのプチプチに変えて軽量化を図ってるんですよ。
何グラムになるかとか、そういうところまで実は研究してやったんです。元の重さから、今は半分以下にまでなったんですよ。
−快適さも研究したんだ!フルマラソンを走ってても負担はないんですか?
ないです。
なーんて私は言ってるんですけど、時々※6サブ3、サブ4を狙ってる人からは「どうしてもちょっと抵抗があります・・」なんて告白され笑、
勝負のレースの時は置いていく人もいますよ。
でもね、この前パイナップルを頭に乗せて、フルマラソン3時間13分の記録を出した男の子がいるんですよ!
すごいでしょ?!だから、パイナップルは関係ない!大丈夫だ!って思ってるんです!笑
※6・・・サブ3/フルマラソンで3時間以内にゴールすること
−えぇっそれはすごいな~!!!今はどれくらいメンバーがいるんですか?
170人くらいかな、それくらいはいると思います。最初は5人だったのが、次の年には40~50人くらいになってて。
−次の年にいきなり50人?!どうやって集めたんですか?
集めたっていうよりも、最初の年に私たち5人がパインを乗せて走っているのをみて、「私もやりたい」って言ってもらえた感じなんです。
基本はホノルルマラソンの仲間たちから広がって、そこからまたそれを見た人とか、いろんな人に波及していって。
私の地元仙台の友達だったり、走らないけど、応援するためにパインをかぶってくれる人がいたりとか。
そういう人も含んでどんどん広がって仲間が増えていきましたね。
−仲間が仲間を呼び、どんどん賑やかに!最初に見た宝塚にも負けないですね~!
仲間は日本全国にたくさんいますよ。
毎年毎年同じメンバーでホノルルマラソンツアーに行くわけではないので、毎年新規の人がいるんですね。
そういう新規の人も、このパインを見て”これなんなんですか?”って話から「私も被ってみようかなぁ」ってなりまた増えて。
仲間たちもすごく楽しんでるし歓迎するから、本当にどんどんどんどんお友達が増える感じです。
−日本でもパイナップルズメンバーで集まったりもするんですか?
しますよ。本格的な大会から※7ファンランまで仲間のみんなが個々にエントリーして出ていて、それそれがパインを被って走ってるので、
みんながあちこちの大会で集まってますし、大阪マラソンとか東京マラソンとか大きな大会にはまた多く集まるし。
だからいろんな大会で「パインちゃん見ましたよー!」とかすごいよく言われるんです。
※7・・・ファンラン/競技としてではなく、楽しむことを目的に走るランニング。
−私も昨年走った水戸のフルマラソンでパイナップルズに会いました!
そうそう!水戸も何人か行ってたね~!
「パインに会って、応援してもらえて元気が出てゴールできました!」なんて言われたりするのもすごい嬉しくて。
みんな恥ずかしくなったりしないかなぁ~とか思ったりもするんだけど、それよりもそれ以上にすごい楽しめました!って言ってもらえるから、自分が走ることとは別のところでも嬉しいな、って感じることができますね。
−パインちゃんをかぶることが、「マラソン楽しむぞ!」っていうスイッチにもなりそう!
そうそう、そうですね。みんなで一体感ももてるし、そう思ってもらえるからやってよかったなって思いますね。
−園江さんがランニングをして良かったな、って今思うことはなんですか?
仲間ができたことですね。
同じ想いで共有し合える、かけがえのない仲間になっているので、それが財産です。
今サブ4の他に、主人と二人で※8World marathon majors(WMM)も目指してるんですが、
海外に行っても、ランニングを通じてWMMを目指している人たちに出会ったり、大会の時に現地で日本人ランナーのケアをしてくれる方と出会ったり・・・
そういう「出会い」が、マラソンを始めて財産になったことですね。
3月1日の東京マラソン中止は参加予定だったので残念でしたが、今はWMMの4月のボストンマラソンに気持ちを切り替え、現地で6スターゲットの瞬間を楽しみに頑張ってるんです。
これからもまだまだこうして各地で仲間が増えるんだろうなって思うと、そういうことがまた頑張る活力になったりしますね。
※8・・・World marathon majors/ボストン、シカゴ、ニューヨーク、ベルリン、ロンドン、東京の6大マラソン大会。
6大大会を完走すると「6スター」となる。達成すると、6スターの完走証と特別なメダルがもらえます。
旦那さんと二人でやってきたからこそ今がある
−本当に素敵なことですよね!園江さんの人を惹きつけるパワーも増してるのでは?園江さんは走り始める前からお友達多そうです!
そうですね・・もちろんお友達はいたんだけど笑、
でも走る前までは主人と二人でやっているジュエリーの会社がほんっとうに忙しかったんですね。
20代、30代、40代ちょっとくらいまで、ずっと休みなく働いてたんです。お休みもほとんどなくて。
それである程度落ちついてきた頃に、自分たちも楽しむ時間を持とうということで、お正月の3日間とかお盆やGWはきっちり休むことにしたんです。
それぐらいから、よく旅行に行ったりするようになって、ホノルルにも行ったりしだしたんですよね。
そういうタイミングで旦那さんはダイエットを始めたり、私はヨガを始めたり、それそれが自分の時間を楽しんで、学生時代の友達とお茶する時間がやっと取れるようになったりだとか、時間に余裕もできてきた中で、初めの方で話したように旦那さんがマラソンを走り始めて、そこから今の私たちに繋がっていくんです。
−旦那さんと一緒に長い時間頑張ってこられて、マラソンも走るきっかけになって・・・本当に、旦那さんと二人だからこそ今があるんですね。素敵だな。
ずっと二人でやってきてね。今は傍から見ると楽しく飲んで走ってみたいな感じに見えるようで、”全然仕事してないよね~!”なんて冗談で言われるけど笑
もちろんずっとやってきてるんですよ。
メインのジュエリーの仕事の他に、別の会社を一時期起こしたりもしたんです。
ジュエリーの仕事をしてると、仕入れの関係でインド人の人たちとも交流があったんですが、すごく体に良いインドのハーブティーで日本に入っていないものがあったので、それを輸入販売する会社を立ち上げて、6年くらいやったんですよ。
それがまたすっごく忙しくなって、二つの仕事にもなってしまったからものすごい疲れてたんですね。
そのうちにインド関係の仕事の方は、仕事上のストレスなどが増えていったり、現地とのことでいろんな事が出てきたので、ある時に「もう、やめる!」と思ってやめたんです。
それで重荷がなくなって。
ちょうどその頃にランニングを始めたりもしてたので、「人生はやっぱり楽しんだ方が良いなぁ」ってあの時は強く感じるタイミングだったりもしましたね。
−本当、楽しんだもん勝ちですよね。
そう。ご飯を食べに行くときも、どうせ食べるなら美味しいもの食べようとか、それも私のモットーで。ワインも大好き。
いろんな美味しいお店も知ってますよ。笑
そういう美味しいものを食べることも好きだし、パイナップルズのみんなが楽しそうにしてるのを見るのもすごく好き。
今はそれがすごく嬉しいんです。
これからも一人でも多くの人に、「フルマラソン楽しかった!」って思ってもらえたら良いな!
−安岡さんにとってランニングとは?
Sonoe's Running Items


※Best of favorite item!
【パイナップルズキャップ】
まつげの生えてるパインちゃんなど、実は色々な違いがあったりもします
Sonoe's Beauty Items

Tell us about SONOE?

僕が急にホノルルマラソン出る時も、
よしWMM挑戦と決めた時も、
最初はちょっと抵抗しますが、
結局一緒に頑張ってくれて、
今年の4月ボストンマラソンで
2人揃って6starフィニッシャー予定!
結婚して32年ずっと変わらず可愛い妻です💕
旦那さんの昌彦さん。
今回のゲスト:安岡園江さん
Instagram:@alohasmile.noechan