前原靖子さん
Onジャパン PR&イベントリーダー
ランニング歴:12年
Born / 1981
Home town /横浜
Hobby /自然の中に行くこと。山登り・スノボー
Favorite running spot /横浜みなとみらい周辺
Running frequency /週2、3回(10~20キロ/1回)
前原さんと私は実は何度かマラソンを一緒に走っています。
東京マラソン2015では前原さんがペーサーをしてくださり、
私はそこで自己ベストを更新することができました。
2019年は沖縄で100キロマラソンを一緒に走りました。
最後まで前原さんがサポートしてくださったおかげで、
私は初めて100キロマラソンを完走できました。


2019年12月 沖縄100Kウルトラマラソン
そんな、私にとってランニングの大先輩である前原さんに
今回初めてインタビューさせていただきます。
−まず初めに聞きたいのですが・・・
前原さんが昨年2019年に出たレースって、どんなものがありました?
4月に、私にとって最長距離の130キロのレースに出ました。
アメリカカリフォルニア州で行われたほぼロードのレースで、3人のチームで走るんですが、リレーではなく、3人でスタートからゴールまでずっと一緒に走るというレースなんです。
基本的にコースはロードなんだけど、一部トレイルのコースがあったり、気温も暑い時は40度近くなるし、夜はダウンを着ないと寒かったりと寒暖差も激しくて、私が今まで出た中で一番過酷なレースでしたね。
また8月にはフランスのシャモニーでトレイルランニングの56キロ走るレースに出ました。
−フランスのトレイルっていうと、※1UTMBの中の、OCCっていうやつですか?
そうそうそう、UTMBシリーズの短めのレースね!
※1・・・UTMB/ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(Ultra-Trail du Mont-Blanc)。
「UTMB」「CCC」「TDS」「OCC」「PLT」と主に5つの大会からなり、
メインのUTMBはフランス、スイス、イタリアの3か国をまたがって全長171kmを46時間半以内に完走するレース。
累積標高差は10300mにもなる。
参加するためには、事前に日本国内などのレースに出場してポイントを貯める必要があり、獲得ポイントが貯まれば大会にエントリーする権利を得られる。
−ほぉぉ・・すごいなぁ。その4月、8月のレースはどちらもプライベートで?
うん!
あとはあいりと一緒に走った12月の沖縄100Kマラソンだね!
ここまでの話を聞くと
大半の人が「前原さんすごい人だなぁ~!」と思うはずです。
私も今までずっとそう思っていました。笑
前原さんは何でこんなに走れるんだろう?
何で走っているんだろう?
今回は、そんな前原さんの
走り始めた頃のストーリーを聞いてみます!
−前原さんが走り始めたきっかけは?
初めてのレースは2007年のホノルルマラソン。
会社の友人にホノルルマラソンに出ないか?って誘われて、私も含めマラソン初心者の同期3人で行ったのがきっかけ。
元々運動は好きだったんだけど、ランニングはそんなにやっていなかったんだ。
初フルマラソンに向けて少し練習したけど、レースの半年前くらいから仕事の後に皇居に時々走りに行くぐらいだったかな。
当時はまだ※2ランニングウォッチも持っていなかったし、補給の事も一切わからないし、何の練習したら良いのかも全くわからない状態だったよ。
※2・・・ランニングウォッチ/ランニングに特化した腕時計。ものによって機能は多岐にわたる。
ペースの計測がメインだが、GPS機能で走った場所や軌道を記録できたり、心拍数を測ることが可能なものも。
基本的にランナーはペース毎のタイムを目安にマラソンを走ることが多い。
−レースの結果はどうだったのですか?
完走できて、最初は4時間27分でゴール。
−おー速い!
目標設定も何もわからなかったけど、練習する中で知り合った人たちと話していたら4時間半だったらいけるかもしれないと思ったんだよね。それで4時間半を目安にして。
−でも、ランニングウォッチなしでしょ?
なにか時計はしていたかもしれないけど、当時はそもそもペースというものを理解していなかったから。
※3キロ6分ペースでいこうとか、そういうのも何もわかってなかったからね。
※3・・・キロ◯分/ランナーが目安にする1キロ毎のタイム。キロ6分の場合、時速10キロ。
箱根駅伝ランナーの場合、キロ3分程で走る。キロ3分だと、時速20キロ。
−じゃあ「これぐらいの速度で走ればいけるかなぁ~」みたいな、感覚で走ったんですか?
その感覚で行ったよ。
−レースに向けてランニングを教えてくれる人とかはいたんですか?
いない。
−じゃあ全部自分で練習だったんだ。
そうそう
−何かランニングについて調べたりしたんですか?
それもしなかったかな。
唯一、「グループランしましょう!」みたいなコミュニティに少し参加したぐらいだったかなぁ~。
本当に何もわからず・・・。

place:Buvette
−前原さんにもそうした時代があったのですね~
初めて出たレースもいきなりフルマラソンだし・・・
でもそれが楽しかったから、今でも続けられているんだと思う。
初めてのマラソンが、ホノルルだったっていうのもあるしね。
−楽しかったっていうのはどの部分に感じたのですか?ホノルルの環境?それとも完走した達成感とか?
なんだろうなぁ~。
走り終わった時の”爽快感”は、普段の生活の中で感じられていなかった感覚だったよね。
もちろんホノルルっていう環境がよかったのもあるけど、なんか「達成感」とは違うんだよね・・・
−爽快感か。
そうだね、爽快感が今にも繋がっているかなぁ~
「このレース最高に楽しかった!」って思うための準備
−元々運動が好きだったって事ですけど、それまではどういう事をしていたのですか?
中学生まではバスケをしていました。
今でも、スポーツは何でも観るのが好きだしね。
−私とサッカーの話とかもしますもんね。スポーツ自体色々興味があるみたいな感じなんですね。
うんうんうんうん
−じゃあ自分でスポーツをガッツリやってみるという意味では、部活以来ランニングが久しぶりだったんですか?
そうね、でもなんか今でもガッツリやっている感じがないのね。
−そうなんだ、ガッツリではない?
競技者としてやっている感覚は全くなくて。
記録とか順位を目指してランニングをしている訳でもないんだよね。
100キロのレースに出たりしているから、ガッツリやっているって思われるかもしれないけど、そういう感覚は正直ないなぁ~。
−そうだったんですね。
練習しないとレースを楽しむ事はできないし、完走しないと最初にホノルルマラソンで味わった時のような爽快感もないから、
完走するために必要なトレーニングはもちろんするんだけどね。
−気持ちよくレースを走るために維持するという感覚なんですかね?
そうだね。
走り切るためには体調管理するというのも大事だから、そうなると自然に食事も気を使うし
競技者として結果を求めている訳ではないけど、
「このレースに出てよかった!」「このレース最高に楽しかった!」って思うための準備は出来る限りしてる!
−フルマラソン2回目以降は練習のやり方を変えたり、考えたりはしたんですか?
初めはペースも何もわからない中で走ったけど、その後はランニングについてもっと知ろうと思いはじめて。
※4MY☆STARっていうランニングチームに誘われて入ったりもしたので、だんだんと仲間も増えてきて、チームの先輩から色々なことを教えていただいたりしましたね。
その中で、”フルマラソン走るんだったら、まずは※5サブ4”って知って、
じゃあサブ4っていうのを目指してみようかなぁ~って気持ちはその後生まれたかな。
※4・・・club MY☆STAR/世界でもっとも過酷と言われるバッド・ウォーター・ウルトラマラソン(217km)を4回完走するほか、世界の多数の耐久レースで高記録を残している岩本能史氏が主催するランニングチーム。市民ランナーへ向けた独自のメソッドが国内外で評判を呼んでいる。
※5・・・サブ4/フルマラソンで4時間を切ってゴールすること。
全ては人との繋がり。一人だったらきっとやらなかった
−目標も生まれたんですね。
始めてからしばらくはただただ完走する為に走っていたけど、その後MY☆STARの仲間と練習する事で「サブ4行けるよ!行けるよ!!!」みたいな話になって。
−サブ4達成の為にメニューを組んだり、特別な練習をしたりはしました?
うーん。そういうんではなくて、たまたま一緒に練習していた速い人たちに一生懸命ついて行ってたら、「このペースで走れるからサブ4いけるよ」って。
だから、サブ4絶対やるぞー!っていう意気込みからはスタートしていないんだよね。
−その時の大会ではフルマラソン4時間を切れたんですか?
切れた。
−そうなると、私の場合「次は※6サブ3.5!」とか、わかりやすい目標を掲げがちなんですけど笑、そういうのでもなかったですか?
そうだねー。
もちろん今でもサブ3.5はちゃんと切れてないから、切りたいという目標はあるんだけど
その後に※7トレイルランニングに出会ったんだよね。
暑い夏に山に行って、山を走るっていうのもまた新しい爽快感があったんだ。
山の少しひらけたところで休憩した時に感じる風とか、普段のマラソン練習やロードでは味わえない感覚で。
あの吹き抜ける風は何事にも変えられない、自然の中にいる気持ちよさがあるんだよね。
仲間に「それならレースに出てみない?」って言われて、それからトレイルのレースにも出るようになったんだ。
それと同時期に※8ウルトラマラソンにも出会い・・・
※6・・・サブ3.5/フルマラソンで3時間30分を切ってゴールすること。
※7・・・トレイルランニング/山道など、未舗装の道を走るランニング。
※8・・・ウルトラマラソン/フルマラソン(42.195km)以上の距離を走るマラソン。
−トレイルにウルトラ!楽しそうって感じるものをどんどん取り入れて、自然とジャンルが広がっていったんですね。
うん。
出会ったのはウルトラの方が少し先だったかな。
ウルトラも同じ流れで、ランニングの仲間が「ウルトラに挑戦してみようよ!」って誘ってくれたのがきっかけ。
最初のウルトラマラソンは富士五湖の71キロのレース。
初めてフルマラソンより長いレースに出たけど、走りきることができ、完走した喜びを仲間と味わえた時の楽しさ。その楽しさがあったから今も続けているね。
−誰かと喜びを分かち合う楽しさですね。
全てに共通しているのは順位とか記録じゃなくて、完走する為に自分なりに準備したり、
仲間と練習したり、その結果無事に完走できた時の喜びや爽快感が次に繋げてくれているかなって。
だから一人だったら絶対にやっていないって思います。
−そうですね、お話聞いていると、周りにいつも”人”がいますよね。
そうだね。一人だったら絶対挑戦できてない!

−今のお仕事の※9Onとはどういった経緯で出会ったのですか?
MY☆STARに入ったのが2013年かな?
MY☆STARの代表の岩本さんが履いていたからその時にOnのことも知りました。
それまではランニングとは全く関係のない仕事をしていたけれど、
岩本さんに出会って、Onに出会って、そこからまた人の繋がりでOnジャパン代表の駒田さんに出会って、2015年にOnに入る事になったんだよね。
※9・・・On/2010年にスイスで誕生したスポーツブランド。
ランニングシューズ、アパレルの他、最近ではトレッキングシューズやスニーカーも展開。
機能はもちろん、デザイン性にも優れ、感度の高いユーザーからの支持を年々増やし続けている。
−全く違う職種から、Onへ。当時はどういう思いだったんですか?
ストレスが溜まった時にランニングをする事で気持ちがスッキリしたり前向きになったりと
ポジティブになれるランニングの良さは当然わかっていたんだけど、
ランニングを仕事にしようとまで考えていた訳ではなかったんだ。
ただこれもまた人の縁でね、声をかけてもらった時は迷わず入りました。
好きで、楽しいと思えるランニングが仕事に繋がるっていうのはすごく幸せな事だなぁ~と思ったんです。
ランニングって楽しいんだよっていうのを、Onを通じてもっと伝えていきたい
−ランニング界に向けて、今後のイメージやビジョンはありますか?
ランニングは、メンタル的にもフィジカル的にも良い事しかないと思っています。
私がランニングを始めて味わえた楽しさとか、ポジティブになれる気持ちっていうのを色々な人に体験してもらいたいし、さらにそれを長く続けて欲しいと思っているんだ。
ランニングを楽しみたいって思っている人たちにOnができることってなんだろう?っていうのは日々考えていますね。
−なるほど。楽しみを感じ、さらにそれを続けられるように。
あとは走るだけでなく、”自然の中に行く”っていう事の大切さを同時に伝えていきたいと思っていて・・・
自然の中に行くと、人に言われなくても「この美しい山を守らなきゃ」とか「破壊しちゃいけない」とか、自然と思うようになるから。
それは誰にとっても大事な感覚だなぁ~って。
この気持ちは山に行くようになってから、強く感じるようになりました。
−本当にそうですね、体験してわかることや腑に落ちることって大事ですよね。
そうだね。
もちろん、走ることやアクティビティの楽しみ方は人それぞれだから
記録を追い求める人もいれば、私みたいに完走を目指す人もいるし、違って良いのだけど
でもそれを一過性のものではなくて、生活の一部となって長く続けて欲しい。
長く続ける為の重要なポイントは楽しむことだと思うから、
楽しむ気持ちを忘れて欲しくないし、ランニングって楽しいんだよっていうのを
Onを通じてもっと伝えていきたいですね。
−なるほど。Onの発信している”楽しむ”って、こういう事に奥深くでは繋がってくるのですね
私が続けてこられた理由は言われたからじゃなく、楽しんでこられたから。
楽しんでこられたのは周りの仲間たちのおかげだし、ランニングを通じてこうやって亜依里とか色々な人との出会いにも繋がって、とても幸せ。
だから今あの時にホノルルマラソンに声をかけてくれた友人にすごく感謝してる。
−本当に楽しく続けてこられたんですね。
そうだね。
でも、自分にとって”目標を課す”ということも大事だと思っていて。
だからフルマラソンの記録だったり、去年の私でいうと距離を伸ばして初めて130キロ走ったりだとか、今後も自分がまだ達成できてない事を一つの目標に挙げて走り続けたいなって思ってる。
−それってランニング以外の生き方、人生にもすごく繋がりますよね
うんうんうん
−例えば仕事でも、目標を自分にちょっと課すだけでそれが人としての成長になっていくじゃないですか。これができた。次はこれができた・・・って
そうだね、だから最初に話した昨年の過酷なレースも、
大変な事に挑戦したという感覚よりも、まだ今までにやった事のない事や達成していない事をただやってみようって続けてきただけなんだ。
100キロ走れて凄いね!って言われることもあるけど、凄いっていう感覚よりも何か新しいことや今までできてなかった事にトライしてやってみたという感覚。
−そのための準備をしっかりして、ですよね。
楽しく生きる(走る)ために準備やケアをしっかりするという考え方、私も取り入れたいな!
−前原さんにとってランニングとは?

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Onジャパン代表
駒田 博紀さん(写真中央)
「ひろきさん、私について一言で表現してください」とか、ヤスコからムチャな依頼があったんだ。彼女との付き合いも5年。そこそこ長いし、語りたいことは山ほどあるんだよね。
でも、そうだな。あえて一言でいうなら、「仲間思い」かな。彼女がいてくれることで、俺は安心してバカなことができる。俺が何かやろうとすると、全力で応援してくれる。喜びを分かち合ってくれるんだ。それが俺の思うヤスコの素晴らしいところかな。
だからほんと、誰か #嫁にどうすか
Onジャパン セールスマネージャー
鎌田 和明さん(写真右)
才色兼備なスポーツウーマン!
仕事に向き合う真剣な表情も、山の中で無邪気に笑う表情も素敵な姉さんです。
これからも走って、飲んで、仕事も?して、毎日を全力で楽しんでいきましょう!

今回のゲスト:前原靖子さん
Instagram:@yasuko_maehara